母は今60半ばになり、内にも外にもパワーを増した気がする。
彼女が僕を産んだ29年前から今に至るまで、女性のパワーを彼女の言動から学んだ。
ちょっと昔の話、僕が思春期の時にいくつかの逆境があった。
今考えると、よく乗り越えたと思う。母なしでは絶対に無理だった。
彼女はブレることはなく、大きな問題を冷静に小分けし、一歩ずつクリアーしていった。
全てにおいて最善をつくし、最高の結果を得ようと出来ることは全てした。
結果として、良い方向へいったものもあれば、そうでないものもあったけど、僕は、あの状況で圧倒的に前向きだった彼女を、今でも思い出す。
すごい!!と思い知らされた。
おそらく、六本木のおでん屋ではじめて母を見つけた時、父もそれを感じたに違いない。
そんな母は強い女と仲良くなる。そして僕がまだ小さい時、強い女達は毎晩の様に家で宴会をした。
いろんな人が来てくれて、楽しかったけど、その後遺症か僕は未だに寝る時うるさくないと寝れない。
僕は小さいときから、強い女性達を見てきた、よく遊んでもらった。
迷う事のない最高の女達。
ただ、最近気づいたことがあって、少しオロオロしている。
良くも悪くも、強い女性達と接していたから、今現在彼女がなかなかできない。
母は僕の足が短いからだと言うが、それだけでもない気がする。
そういえば、むかし母が僕に話してくれたことがある。僕が産まれて最初に面会に来てくれたお客さんの話。
ミロさんと、おかまのタヌコさん。
タヌコさんとは会った事はないけど、ミロさんは知っている。
やっぱり、自分に彼女はなかなかできない気がする。